最終改訂: 2006年06月11日17時14分

特許事件と要件事実論

By 松本 直樹 (掲載: 2006年6月)

 後輩の弁護士のM先生と、特許事件と要件事実論、についてメールで文通? しました。それなりにまとまった文章になったので、掲載しておきます。私の方からのメールを集めて若干直したものですが、M先生からのメールの引用部分も含んでいるので(この部分の著作権については、許諾を頂戴して掲載しています)、問答として理解していただきやすくなっていると思います。

1. 特許侵害の要件事実

日付: 2006/03/27(月) 22:19
件名: 特許事件と要件事実論

 M さん、メール(Mon, 27 Mar 2006 11:34:13 +0900 付け)をありがとうご
ざいました。松本です。
(引用中略)

| 要件事実にについて、素朴な疑問を述べさせて頂いたのですが、概略は以下の
| ようなものです。実際はともかく理論的にはどうなのか、という点の問題です。

| まず、侵害の要件は、権利の保有、技術的範囲に含まれること及び実施行為
| の3つとされており、技術的範囲については、「技術的範囲に含まれる」こ
| とが主要事実で、構成要件Aを充足する、というのは間接事実とするのが通
| 説です。

 ここで既に、厳密には、少なくとも現在の研修所説とは合わないと思います
(特許についての研修所説というのは、直接に論じられたものはないわけです
が、整合的に及ぼした場合を私が考えたところ、を考えています。なお、特許
についての要件事実論の議論は、既に何本か論文があるのですが、現在の研修
所説を十分に意識していないものばかりというのが私の認識です。)。

 「技術的範囲に含まれること」が法定の要件ですが、それを認める際には、
認定される事実はこれ自体ではないでしょう。そうではなくて、クレームの各
要件に当たる事実(むしろ“構成”等というべきか)が認定されるべき「事
実」です。そして、それらがそれぞれに該当していると判断され、それによっ
てその全体で「技術的範囲に含まれること」が認められる、……という仕組み
と思います。

 おっしゃっている「通説」は、かつての研修所見解に結構近いと思います
(って私もそう詳しくないんですが)。かつての研修所説を素直に特許法に当
てはめた(だけ)というか。実際、そういう説明が多いです、上の括弧書きで
も書いたように。しかし、「事実」として直接に認定できる事項は何なのか、
等を詰めて考えた場合、そのまま維持できる見解とは思いません。

| また、均等論は70条の問題としてとらえるのが(おそらくは)通説です
| (竹田先生などは、従来設計変更などとしていたものを均等とした、という
| ようにおっしゃっているようなので、この立場であれば、なおさらだと思い
| ます。)。これを前提に考えると、筋論としては、、「技術的範囲に含まれ
| る」との主張を行うことは、文言侵害及び均等論をいうことになってしまい、
| 5要件は単なる間接事実となるように思います。とりわけ、構成要件Aが本
| 質的部分という場合に、文言侵害の関係ではこれは間接事実に過ぎず、「本
| 質的部分と相違する部分がある場合でも」という均等要件1との関係では、
| 突然、同様な事実が主要事実となるというのは奇妙な感じがします。これが
| 私の疑問点です。

 間接事実云々の点は、上で既にちょっと書いたとおりです。

 また、「構成要件Aが本質的部分という場合」等については、ボールスプライ
ン最判自体とのずれが気になります。クレーム中の構成要件の単位で本質的部分
かどうかを問題としているわけではないはずです。最判は、

> 〜しかし、特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が
> 存する場合であっても、 (1) 右部分が〜

としており、問題となるのは「異なる部分」です。

 「突然、同様な事実が主要事実となる」のは、別に奇妙とは思いません。別
のルートないしセットでの技術的範囲該当の認定です。

| もちろん、この場合、要件事実の問題として、構成要件Aを充足するという
| のが主張事実である、とするか、あるいは実体法の問題として、均等は70
| 条とは別の例えば民法1条の問題であるなどとしてしまえば問題はないのだ
| とは思います。この前者の考えは、先生も書かれているとおり、いわば技術
| 的範囲を過失などと同様な評価事実(いわば法的規範)と捉え、その一段下
| の事実を主張事実ととられるものだと思いますし、実際の訴訟の感覚からす
| ると、これが正しいように思います。

 おっしゃるとおり、そういう感覚を重要視しています。そして、その点で賛
成していただけるなら、私としてはとても意を強くするものです。

| しかしながら、過失のような評価事実では、評価根拠事実とこれと両立しう
| る抗弁事項たる評価障害事実があり、そのように相反する事実を基に過失を
| 評価できることが過失を法規範的に捉える利点であると思いますが、

 別に、そういう点を重要視していません。一般的な認定についての話を、過
失に及ぼすと、自然とそうなってしまう、ということだと理解しています。

 一般的〜、という話は、こういうことです。過失などでなくても、本来、事実
認定の場面では要件自体を認定しているものではありません。要件は要件であり、
主張される事実は、それに当てはまるとされる具体的事実です。その具体的事実
の存否が認定されます。この認定は、それが要件に該当するかどうかの判断とは、
別のステップです。

 それでも、過失などの一般条項ないし抽象的規範以外では、要件と事実とが
殆ど同じ「言葉」で語られます。このために、上記のように別のステップであ
るとの意識が乏しい場合があります。実際、かつての研修所説はここが不徹底
でした。ここを徹底させると、自ずと、過失についてもそれを構成する具体的
事実が主要事実、という話になります。

| 技術的範囲に含まれるというときには、構成要件Aの充足という評価根拠事
| 実は観念できますが、これと両立しうる抗弁事項たる評価障害事実は観念し
| 得ないように思われ、その意味で、これを過失と同視できるのかには少なく
| とも理論的な意味での疑問もあります

 評価障害事実が観念できることが必要ではありません。いやむしろ、現在の
研修所説は、この点では不徹底であり、倉田流の(またローゼンベルク流の)
法律要件分類説では、消極要件だからといって抗弁にする、という議論は取り
ません。ここは私も迷うところです。でも、元々の、事実ないし要件の扱いに
ついての言わば哲学的な考察については、研修所説は倉田さんが説いていると
ころと合致しており、私はそれに従おうとしているものです。

| (なお、実質論でいうと、例えば、認否の段階で構成要件Aを充足すること
| は認める」とした場合、これが主要事実であると自白が成立します。ところ
| が、後になって、非常によい資料が見つかり、構成要件Aの非充足が明らか
| になったような場合も考えられると思います。

 これは、その対象の具体的事実の存否については、自白とされた方がよいと
思います。その当てはめに付いてであれば、別です。当てはめは事実の問題で
はなく、厳密には自白は成立しません。

| この場合に、自白の撤回というような問題とするよりも、間接事実の撤回と
| した方がよいこともあり得るかと思います。)。

 そう、当てはめについては、撤回を認める方向でよいと思うのです。

| もちろん、先生ご指摘のとおり、抽象的事実、具体的事実という問題はあるか
| と思いますが、すべからく事実というものは抽象的な部分を有するので(例え
| ば、詐欺における「欺罔行為」というのは極めて抽象的な概念だと思いますが、
| これは主要事実とされています。)、そのような区別がどこまで主要事実と間
| 接事実を区別する基準となりうるのかにも疑問があります。

 欺罔行為の場合も、その指し示す具体的事実こそが主要事実です。

 間接事実というのは、結局のところの要件自体とは別の、たとえば前後にど
う行動していたか、とかの、それ自体の認定が要件充足そのものではないもの
です。

| 次に後者の考えは実体法の問題ですが、これを70条とは別の理論としてしま
| うことには一般論として抵抗があるようにも思います。先生ご指摘の通り、最
| 高裁はいわば立法なので、ということはその通りだと思うのですが、だからと
| いって、70条の問題そのものでもなく、民法1条等の一般規定の根拠もない
| 立法を最高裁が行ったということはやはり解釈論としては難しいように思いま
| すが、いかがなのでしょうか?

 言わば立法ではありますが、特許侵害から離れて立法するまでのことをして
いるわけではないのはもちろんです。クレーム文言による技術的範囲該当のル
ートとは別ルートを法で定めた、と理解しています。

| 以上の点は、少なくとも、議論の対象にはなりそうな問題のように思うのです
| が、このようなことをいっている論文などは見たことがないので、もしご存じ
| であれば教えて下さい。また、先生が書かれている〔倉田〕というのはなんと
| いう本なのでしょうか?不勉強で申し訳ないのですが、教えて下さい。

 引用文献を未だちゃんと書いてないですが、ここでの[倉田]は、倉田卓次
『民事実務と証明論』(日本評論社 1987年)のはずです。もっとも、他の倉
田さんのとゴチャゴチャになっている可能性もあります(原稿をまとめる際に
はちゃんとしようと思っていたのですが)。倉田さんは、ローゼンベルクの証
明責任論の訳者です、ご存じないですか? (もしもご存じなくしてこの題材で
原稿を書くのは、……ちょっと問題です。)
(引用中略。その後のメールによれば、倉田先生はもちろんご存知で、でもどの
本なのか、というご趣旨の質問だったそうです。失礼しました。)

 ・2006年3月27日(月)22時19分19秒 
 ・松本直樹

2. 何が具体的事実か?

日付: 2006/03/30(木) 19:13
件名: Re: 特許事件と要件事実論

 M さん、メール(Tue, 28 Mar 2006 11:36:45 +0900 付け)をありがとうご
ざいました。松本です。その前のメールの、後半の要件事実についての話へのご
返事もこのメールにします。

| 先生のご見解によれば、基本的な「事実」の捉え方レベルで処理できるため、
| 私の疑問は生じないと思います。私の疑問はあくまでの一般的にいわれている
| 話を前提にしてのものです。

 そちらはそちらで考察するのも良いと思いますが、私から見ると、余り理論
的な考え方でないので詰めるのには無理があると思うのです。

| なお、一点質問ですが、先生の考え方に立つと、「本質的部分」とか「容易推
| 考」とかいうのは、具体的事実としてはどの程度主張すればよいことになるの
| でしょうか?例えば、本質的部分だと 1 「明細書にこういう記載がある」と
| か「公知例でこの点は知られていた」とかいえば、要件事実的に足りているの
| か、それとも、 2 そのような具体的な事実を基に、「相違する部分は本質的
| 部分ではない」という部分まで事実の摘示の問題としていう必要があるのか、
| それとも、 3 2のみで足りるのか、というとどれになるのでしょう?

 弁論主義の問題としては、すなわち純粋の要件事実は、1だけです。でも、
2も主張するべきです。そこは、法律論としての主張です。この部分は、裁判
所は、弁論主義によって当事者の主張によって制限されたりはしないもので、
そういう意味で当事者の主張は必須ではありません。でも、裁判所を説得する
努力をすることが、当事者にとって意義があるのは当然です。

| もし、2とか3とかが要件事実になると、「相違する部分は本質的部分ではな
| い」という部分まで「事実」となりますが、これは「具体的事実」が要件事実
| ということとは矛盾するように思いますし、一方、1のみで足りているのだ、
| というのもなんとなく不十分にも思いますが・・(勿論、実際には、2を書面
| に記載するので、あくまで理論のみの話で、実益はほとんどないと思いますが。
| )。

 上記のとおり、その部分は「事実」ではないのであり、そう考えることで、
矛盾はないと思います。でも、1だけでは不十分に感じるというのはもっとも
で、2の説得も、当事者としてした方が良い(得策である)法律論です。

| 度々すみません。もともとあの場で話をした内容からの話になっておりました
| が、もともと私が均等と文言侵害の関係について疑問に思った最初の点をご説
| 明していませんでした。

|  例えば、新・裁判実務大系4の西田美昭判事「侵害訴訟における均等の法
| 理」185頁では、均等と文言侵害とは訴訟物は同じ、とし(これは一般的に
| そのように考えられていると思います。)、「均等の法理は、単なる特許請求
| の範囲の解釈の手法の一つではなく、対象製品等が技術的範囲に属することを
| 根拠付ける独立した攻撃方法である」とされ、均等の5要件の立証責任につい
| て触れられています。 このように同じ訴訟物についての攻撃方法でありなが
| ら、別個の請求原因事実がある場合としては、例えば代理と表見代理のような
| 例があるとは思うのですが、それが同じ70条の問題でいいのかなというのが
| そもそもの疑問です。もちろん、最高裁が新たに攻撃方法を定めたのだ、とい
| ってしまえばそれまでの話ですが、普通に考えると、旧訴訟物論を前提にする
| と、同じ根拠条文で2つの攻撃方法があるというのはどうなのかなと思いまし
| た。そんなことを考えていたために、あの場での疑問のような話になったもの
| です。

 お考えのように、旧訴訟物論では法条ごとに訴訟物を別に考えるため、事実
のセットも一つだけになるのが原則のように見える面もあります。法条の規程
する要件は一つのセットだけであるわけですから。

 修習生感覚では、これが旧訴訟物理論の大きなメリットです。

 でも、たとえ旧訴でも、複数の攻撃防御方法というのはもちろんあり得る話
です。表見代理もそうだし、均等についての西田判事もそういっているわけで
しょう?

 これを別訴訟物とすると、権利者敗訴後の再訴が理論的に可能ともなりかね
ないわけで、それはおかしいです。といっても、旧訴訟物理論はそういうおか
しい再訴の可能性を色々な場面で許すものではあるわけですが、それは法条と
して(また権利として)別々なので仕方がないとしての話であり、特許侵害で
元々それが区別がないのを不都合な方向に分けようという考えはないはずです。

 ・2006年3月30日(木)19時13分19秒 
 ・松本直樹

3. 今の研修所説を特許事件に当てはめれば...

日付: 2006/03/31(金) 09:36
件名: Re: 特許事件と要件事実論

 M さん、こんにちは。松本です。前のメールの、後半の要件事実についての
話へのご返事は、分けてこのメールにします。

| 要件事実については、そろそろ書かなくては、と思いながら、なかなか進みま
| せん。特許についていえば、松本先生ご指摘のとおり、被告製品が技術的範囲
| に含まれることを基礎付ける具体的事実が要件事実である、とするのが通説的
| な見解で、個人的にも、抽象的にはこれでよいのだとは思います。ただ、そこ
| でいう「具体的事実」というのがよく分かりません。

 「通説的な見解」とするという位置づけが、さっきまでと違うようにも見え
ますが、また実際、特許の話について積極的にそういう説明をしているものが
あるか、よく知らないのですが、しかし、一般の民事についての現在の研修所
説などを特許事件に及ぼすなら、そうなるべきものと思っています。

 何が争われているかによって現れ方が変わりますが、ある装置についてそれ
の侵害の成否が問題となるなら、その装置の構成のうちで、クレームの各要件
に当てはまると主張されている各構成の存在、が「具体的事実」だと思います。

| 松本先生は、「 技術的範囲に属する」という「事実」は、 1 被告製品の
| 具体的態様を特定、 2 本件特許発明と被告製品の具体的態様との対比、 
| 3 文言侵害あるいは均等の有無判断、の結果としてその存否が明らかにされ
| るということになるが、「当てはめ判断」までなされた結果として、はじめて
| 事実の存否が明らかになるものではある。その様にして初めて「被告の侵害行
| 為」の存否が認定できるものではある。しかし、それをブレークダウンして、
| 具体的態様の認定と、当てはめ判断、 とをそれぞれに考えた場合、後者の判
| 断は「事実」とは言えない。」とされていることからすると、

| 先生の立場はおそらく、「技術的範囲」というのは、評価的事実ですらなく、
| 純粋に「法」だとされているのだと思うのですが、仮にそうであるとすると、
| 原告は、「特許請求の範囲」を記載する必要さえないことなるのでしょうか
| (勿論、特許権者であることの要件事実として必要ということはありますが、
| これは別論としての議論です。)?

 うーん、この辺から、正直言って私も余り考えていなかったエリアに入って
きています。まあ、それなりに意識はしていたのですが、少なくとも、改めて
書いたことがなかったです。

 クレームは、あたかも法律のようであり、今までの話は、専らそこに着目し
てきました。

 でも、特許は法律とは違うので、“そういう特許権”を成立させている、根
拠となる事実が必要です。特許の登録、特にその際のクレームの記載がそれに
なるわけです。「特許権者であることの要件事実として」とのお話ですが、そ
れと或る意味で同類で、権利者であることや登録の存在だけではない「事実」
があります。「技術的範囲」自体は事実ではないですが、その基礎には、クレ
ームなど特許に関しての「事実」がある、という仕組みと認識しています。

| ちなみに、牧野先生の論文などでは、クレームの記載が評価根拠事実で、公知
| 技術による限定解釈などが評価障害事実である、としているようで、仮に私の
| 理解が正しいとすると、先生の立場はこれとは異なる立場ということになるか
| と思います。

 いや、ここは、牧野先生とむしろ同じ積もりです。

 公知技術とかがなければ、クレームの記載がそのまま「要件」となるわけで
す。この場合は、その「要件」と、被告装置の構成(たとえば)との充足関係
こそが問題であり、被告装置の各構成が「事実」です。また、「要件」の方の
基礎には、クレームなどの「事実」があります。

 公知技術で侵害の成否が変わるとの実体法を前提とするなら、有意な公知技
術がある場合には、それが(障害根拠事実として)働いて、要件が変わってき
ます。その変わった要件との関係で、被告装置の構成を検討および判断するこ
とになります。

 技術的範囲該当の有無の判断は、結局は、特許権と被告装置との相互関係に
ついての判断です。そういう意味で、基礎となる「事実」には、特許権につい
ての事実と(登録やクレームなどの記載)、被告装置の構成という事実とがあ
ります。その「相互関係」のあり方としては、クレームから「要件」が導き出
され、それの装置の構成による充足を判断する、ということになります。

| このあたりの点が本当に良く分からなくなってしまいました。前のメールの御
| 質問についてはともかく、先生のお考えが私の理解で正しいのか否かを教えて
| 頂ければと思います。

 以上で書いたことのかなりについては、私も、よく分かっていないのみなら
ず、自分の考えも十分に熟していないことに改めて気付かされました。一応、
ツジツマのあった話を書いているつもりですが、将来、違うことをいっても余
り咎めないでください。

 ・2006年3月31日(金)09時36分41秒 
 ・松本直樹

4. 具体的事実と「技術的範囲に属する」との関係

日付: 2006/04/01(土) 19:54
件名: Re: 特許事件と要件事実論

 M さん、メール(Fri, 31 Mar 2006 10:38:23 +0900 付け)をありがとうご
ざいました。松本です。

| いろいろご回答頂き、本当にありがとうございます。
(引用中略)

| 要件事実についての私の質問は、もともと、「技術的範囲に属する」というの
| が要件事実であると書いてある本が多いので、それを前提とすれば、というこ
| とでしたが、それらの本でも具体的事実を摘示すべきということは書いてあり
| ます。ただ、これが要件事実としての意味かどうかよく分からないところでし
| た。しかし、牧野先生の論文を読み返していたら、「評価根拠事実」としてあ
| り、おそらく牧野先生の見解がこの分野では通説的といっていいのかなと思っ
| たものです。ちなみに、僕の要件事実についての基本知識は伊藤滋夫先生の本
| なので、具体的事実が要件事実という立場を取ります。
| 均等論については、考えてみます。

 上でまとめられている位のが現状ですね。積極的にはすっきりしていないの
ですよ、ちょっと前のメールで書いたように。

 「具体的事実が要件事実という立場で」とのことで、そういう方向で特許
侵害についての検討というのは、意味のあることだと思います。

 ・2006年4月1日(土)19時54分45秒 
 ・松本直樹 

http://homepage3.nifty.com/nmat/pat-yokenron.htm

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